2019.06.10

No.075 鍛冶体験 @広島

鍛冶屋さんってみなさんお会いしたことあります?

私は以前2名ほどお会いしたことあるのですが、今回はそんな”希少種”ともいえるご職業の型にお会いして、実際に鍛冶体験をさせていただけることになりましのでそのレポートになります。

広島の某駅でpickupしていただき、
そこからそばに小川が流れるアトリエへと移動。

こんな感じ!

なんか趣があって、”〜っぽくて”
すごくいい雰囲気です。
正面に回ったところ。メインエントランス。
このドアハンドルもいいですね。

重厚感が素晴らしい。
中に入ると随所に素敵なオブジェや照明等がありました。
燭台
工具萌え

プロの道具ってどうしてこうも神々しいのでしょうね。

非常に魅力的に移ります。
ガチの工房です。
大型の作品も作られるとのことなので、こんなのもあります!
アイアンの照明、味があります。
一点ものというのがやはり”唯一無二”な価値があり、好きですね。
今のプラスチッキーなものが多い照明・シェードとはまた違って、
鉄の持つ無骨な感じとテクスチャー感が素敵。
燭台
クリスタルをおく台?
こういうの好きな人多いんじゃないしょうか。



で、ここからはガチで鍛冶体験がスタート!

エプロンとt-shirtに着替えて、頭には手ぬぐいセット!
(化学繊維等は作業中に燃えやすいからngだそうです)

今回作るのはこの燭台。

実際に使えるものをということでこれに決まりました。

燭台_製作の流れ

(お聞きした流れ/finish等は除く)

1 鉄棒を熱して伸ばす/とがらせる
2 お皿(燭台の)にそうように曲げる・整形
3 お皿を叩いて凹ませる 
4某とお皿を溶接
5 お皿のエッジにサンダーがけ
6 バリ取り
7 土台と某を溶接
8フィニッシュ

このうち1-6までを今日行うことに!
あとは時間の関係と作業難度が上がることから、
後日またきっちりとの頃のプロセスを行い、完成させてくださるとのこと!
そして
さすがに完成品はサイズが大きいので、
旅が終わる頃に事務所までお送りいただけることに。

感謝!

まず燭台の棒部分を作っていきます。

鉄棒9mmを熱します。
こんな感じでかなり吹き出し口に近いところに鉄棒を置いて集中的に熱して…
ハンマーで・・・
ギャン叩き!
熱しては叩き、熱しては叩きやると、ほらこんな感じに。

伸びて、トガりました。
続いて私。

教えていただいた通りに(それを実践できるかどうかは別にして)やります!
ガーッと熱して…。
叩く!

(とはいえ写真のこれはだいぶあとのもので燭台のお皿部分。
鉄棒叩きはこの段階では終わっています)
ある程度トガり、
いい感じになりました!

燭台のお皿に沿うように、
首を90度ぐらいに曲げていきます。

首となるところ?を熱して・・・

ここではもう曲がっていますが、

てこの原理を利用して
”ぐぐぐぐっ”と曲げます。

このあと溶接があったのですが、
お互いに両手もふさがっていますし、
シュバシュバ光がでるのでそれは写真には撮れず・とらず。

時間の関係等から溶接のあとのサンダーがけまでで鍛冶体験は終わりまして、これから先の行程は岡本さんが仕上げて郵送してくださるのでそこはおまかせすることに!

初めての鍛冶体験。(したことある人は少ないとは思いますが)
いろいろと感想はあるのですが、
まぁ普段”これだけハンマーでなにかがを思いっきりガンガン叩くこと”ってないと思うんです。それだけでもある意味、ストレス発散?になりそうですし、そして”鉄は熱いうちに打て”という言葉の意味が”鉄を熱して打つ”実体験を通して腹落ちしました。
やっぱり冷えると整形できなくなって…
当たり前のことなのですが、それを体感して実感できたのは良かったですね。
鉄を曲げたり整形したりするのには火をつかいますが、
槌でがんがんやっていると、やはりどこか昔の刀鍛冶がガンガン叩いて(鍛える?というのかな?!)名刀・妖刀の類を作り上げたように、どこかゾーンに入るというか無心になれる時というのがあるような気がしました。

それゆえに、刀というものには”打ち手の気持ち”がこもりやすいのかな、とも感じましたし、鉄という自然界にあるもの(プラスチックのような化合物とは違うという意味で)を火や水をつかって形を変えたり、用途に適するように”変化・変容”させる、古代から伝わっているある意味プリミティブな職種であるがゆえに、”源”とのつながりを強く感じさせる”何か”がそこにはありました。

火(か)と水(み)を使うお仕事であるがゆえに、非常に危険なところもあると思うのですが、叩いているや火を見ている時など、その一連の動作や行為は”一種の儀式性を伴う側面もあり”…
仕事だけど仕事ではないような、神事?
とも言えるような、鍛冶屋さんとは非常に
神様との距離が近い仕事なのだなと…。

そんなdevineなお役目・仕事だけにたしかに誰にでもできるものではないかもしれませんが、この仕事が将来廃れたり or AIに取って代わられるとかがなければいいな、と。
キチンと技とか思想といったものを継承しながら、
後世にも残ってほしいな、と、思いました。